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ニュースリリース

2016年07月15日

『エスネットワークス人事労務通信2016年7月号』を掲載致しました。

経団連が「同一労働同一賃金」で提言 その影響は?

 

◆具体案を公表

経団連は、政府が検討を進めている「同一労働同一賃金」についての提言をまとめたそうです。

これによると、法改正にあたっては、日本の雇用慣行や賃金体系に留意した制度の構築が望ましいとし、国内経済の好循環を実現するため、正社員化の一層の推進など、非正規労働者に対する幅広い処遇改善を進める必要性を指摘しているとのことです。

 

◆提言の骨子

上記提言のポイントは以下の通りです。

○職務給を前提とした欧州型の導入は困難で、日本の雇用慣行に合わせた仕組みづくりが必要。

○職務内容だけでなく、勤務地や職種の変更といった様々な要素を総合的に考えて同一労働かどうか評価すべき。

○非正規労働者への賃金制度の説明の充実が必要。

○正社員化や教育訓練の充実など、総合的な処遇改善を進めるべき。

 

◆日本の実態に即した制度を

同一労働同一賃金に関しては、欧州各国ではすでに、仕事の内容に応じて賃金が決まる「職務給」が設定され、広く定着しています。

しかし日本では、経験や能力に応じた「職能給」や、勤続年数や年齢に応じた「年齢・勤続給」などで基本給を決めている企業が多数です。

そこで経団連は、「職務内容だけでなく、勤務地や職種の変更の可能性などを含めた人材活用の仕方など、様々な要素を総合的に勘案して同一の労働に当たるかどうか評価することを基本とすべき」と主張し、日本の実態に即した制度の実現を求めています。

 

◆政府のガイドラインや法改正への反映も

同一労働同一賃金は、安倍首相が今年1月に「1億総活躍社会」の柱として打ち出したもので、労働者の約4割を占める非正規労働者の処遇を改善し、格差是正や消費拡大につなげる狙いがあります。

一方で経済界には、人件費の増加につながるとの警戒感も出ています。提言では、政府が年内をめどに策定するガイドラインについても言及し、「明確に不合理と(各企業の労使が)認識できる事例を例示すべきだ」として、点検や改善に役立つ指針の策定を求めています。

政府は、早ければ来年にも労働者派遣法など関連法の改正案を国会に提出する方針で、今後、厚生労働省の審議会で法制化に向けた議論に入る予定ですが、経団連は今回の提言を制度設計に反映するよう求めています。

 

10月から社会保険の加入対象者が拡大します!

 

◆大企業のパート労働者にも適用へ

今年10月から、厚生年金保険・健康保険(社会保険)の加入対象者が広がります。

現在は、一般的に週30時間以上働く人が社会保険の加入対象となっていますが、10月からは従業員501人以上の企業において週20時間以上働く人などにも対象が拡大されます。

なお、平成31年以降は従業員500人以下の事業所も適用予定です。

 

◆加入・適用のメリットは?

(1)将来もらえる年金が増える。

(2)障害がある状態になり日常生活を送ることが困難になった場合なども、より多くの年金がもらえる。

(3)医療保険(健康保険)の給付も充実する。

(4)自身で国民年金保険料・国民健康保険料を支払っている場合は現状より保険料が安くなることがある。

 

◆新たに加入することになる対象者とは?

(1)1週間の所定労働時間が20時間以上

(2)月額賃金が88,000円以上(年収106万円以上/残業代や交通費などは含まない)

(3)継続して1年以上雇用されることが見込まれている

 

◆助成金の活用も視野に

社会保険の適用拡大は、従業員だけでなく事業主の負担も増えることになります。

したがって、仕事内容を見直したり、人員削減や配置換えを考えたりする必要が出てくるケースもありますが、それと並行して助成金の活用も視野に入れるとよいでしょう。

平成28年4月から、キャリアアップ助成金が拡充されています。従業員の所定労働時間を「週25時間未満」から「週30時間以上」に延長し、厚生年金保険などの被用者保険を適用した事業主に対し、労働者1人あたり20万円(大企業は15万円)が助成されます。

なお、10月以降は、労働者の所定労働時間を5時間以上延長し、厚生年金保険などの適用対象とした場合に助成(助成額は同額)されます。

 

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エスネットワークス人事労務通信2016年7月号

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