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ニュースリリース

2016年09月16日

『エスネットワークス人事労務通信2016年9月号』を掲載致しました。

増加する「介護離職」の防止を支援するための助成金

◆「介護離職」が増加しています!

近年、親族などの介護を理由に離職を余儀なくされる労働者が増えています。

このいわゆる「介護離職」は、企業にとっては重要な働き手を失ってしまうというマイナス面、労働者にとっては収入を失ってしまう(転職しても年収がダウンしてしまうケースが多い)というマイナス面があり、国や厚生労働省でも「いかに介護離職を減らすか」ということに力を入れています。

 

◆2つの助成金の概要

今年度より、介護離職の防止を支援するための施策として、両立支援等助成金のメニューに『介護支援取組助成金』が加えられました。

この助成金は、労働者の仕事と介護の両立に関する取組みを行った事業主に対して助成を行うもので、具体的には、厚生労働省が作成している「介護離職を予防するための両立支援対応モデル」に基づく取組み(仕事と介護の両立に関するアンケート調査実施、制度設計・見直し、介護に直面する前の労働者に対する社内研修・制度周知、介護に直面した労働者のための相談窓口の設置・周知、働き方改革など)を行った企業に60万円が支給されるものです(1企業1回のみ)

さらに、仕事と介護の両立に資する職場環境整備に加え、労働者の円滑な介護休業の取得・職場復帰や介護のための時差出勤制度などを実現した事業主に対して助成を行う『介護離職防止支援助成金(仮称)』が創設される予定です(9月下旬に召集される臨時国会で二次補正予算が成立した場合)。

 

◆「ダブルケア」の問題も発生

最近は介護を行うだけでなく、介護と同時に育児も行わなければならない「ダブルケア」の問題も発生しており、約25万人(女性約17万人、男性約8万人)がダブルケアを行っているとの調査結果が出ています(4月に発表された内閣府男女共同参画局「育児と介護のダブルケアの実態に関する調査」)。

現在、人手不足・人材不足が経営上の大きな課題となっており、企業としては、育児・介護等、プライベートで様々な問題を抱えている労働者をいかに辞めさせないかについて、真剣に考えなければならない時期に来ていると言えるでしょう。

 

「業務改善助成金」「キャリアアップ助成金」が拡充されます!

◆第二次補正予算による措置

平成28年度の第二次補正予算案が8月下旬に閣議決定されました。

最低賃金引上げのための環境整備として、経営力強化・生産性向上に向けて、中小企業・小規模事業者への支援措置を推進・拡充する国の方針を踏まえ、予算案には「業務改善助成金」および「キャリアアップ助成金」等の助成額等の拡充などが盛り込まれています。

 

◆「業務改善助成金」の拡充内容

業務改善助成金は、中小企業・小規模事業者が生産性向上のための設備投資などを行い、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)を一定額以上引き上げた場合に、その設備投資などにかかった費用の一部を助成するというものです。

これまでは事業場内最低賃金が800円未満の事業場を対象としていましたが、1,000円未満の事業場にも対象が拡充されました。また、大幅な事業場内最低賃金の引上げ(90円以上)を行う事業場に対する助成措置が新たに新設されます。

なお、拡充後の本助成金の支給は、第二次補正予算の成立が条件となりますが、申請自体は予算成立前でも可能となっています

 

◆キャリアアップ助成金の拡充内容

キャリアアップ助成金のうちの「賃金規定等改定(処遇改善コース)」は、有期契約労働者、短時間労働者といったいわゆる非正規雇用労働者の基本給の賃金規定等を2%以上増額改定し、昇給した場合に助成する制度です。

今回、中小企業が基本給の賃金規定等を3%以上増額改定し、昇給した場合、助成額が加算されることになりました。

なお、本助成金の加算措置は第二次補正予算の成立と厚生労働省令の改正等が必要となるため、現時点ではあくまでも予定となっています。

 

◆平成28年度の最低賃金について(参考)

平成28年度の地域別最低賃金の改定の目安が厚生労働省より公表されました。

それによると、今年度の全国加重平均の時給は823円(昨年度798円)で、25円増(昨年度18円増)と過去最大の上げ幅となっています。

最高額は932円(東京都)、最低額は714円(沖縄県、宮崎県)で、各都道府県において、10月1日から10月中旬にかけて、順次改定されます。

 

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