2017年06月20日
今年度から新設された「人事評価改善等助成金」
◆働き方改革の施策の1つ
今年度(平成29年4月1日)から新設された雇用関係助成金の1つに「人事評価改善等助成金」があります。
本助成金は、生産性向上に資する人事評価制度と賃金制度を整備することを通じて、生産性の向上、賃金アップおよび離職率の低下を図る事業主に対して助成されるものであり、人材不足を解消することを目的として創設されました。
今話題の“働き方改革”の施策の1つだと言えます。
◆支給額、支給要件は?
支給額が最大130万円(制度整備助成:50万円+目標達成助成:80万円)と大きいこともあり、申請件数も増えているようです。
支給要件は以下の通りとなっています。
【制度整備助成】
(1)人事評価制度等整備計画を作成し、労働局長の認定を受けること
(2)認定された人事評価制度等整備計画に基づき、整備し実施すること
【目標達成助成】
(1)「制度整備助成」の措置を実施すること
(2)「生産性要件」を満たしていること
(3)離職率を目標値以上に低下させること
(4)毎月決まって支払われる賃金を2%以上増加させること
なお、(2)の「生産性要件」を満たすには、支給申請等を行う直近の会計年度における生産性がその3年前に比べて6%以上伸びていることが必要であり、計算にあたっては、厚生労働省のホームページでダウンロード可能な「生産性要件算定シート」を活用することでできます。
◆手続きの流れ
本助成金の大まかな手続きの流れは、以下の通りです。
(A)「人事評価制度等整備計画」の作成・提出…提出期間内に本社の所在地を管轄する都道府県労働局へ提出
(B)認定を受けた「人事評価制度等整備計画」に基づく人事評価制度等の整備…労働協約または就業規則に明文化することが必要
(C)人事評価制度等の実施…すべての正規労働者に実施することが必要
(D)制度整備助成の支給申請(50万円支給)
(E)目標達成助成の支給申請(80万円支給)
女性の就業率や管理職割合に関する地域差について
◆女性の就業率が過去最高に
政府は、平成29年版「男女共同参画白書」を閣議決定しました。この白書は、男女共同参画基本法に基づき作成している年次報告書で、今年は女性活躍推進法施行後の現状と課題について特集しています。
同白書によると、平成28年の15~64歳の女性の就業率は66.0%で、過去最高となりました。これは男女雇用機会均等法が施行された昭和61年(1986年)の53.1%から約13ポイント上昇したことになります。
◆地域別の就業率は?
都道府県別でみると、平成27年時点の女性の就業率は、福井県(74.8%)が最も高く、次いで富山県(72.2%)、島根県(71.8%)となっています。北陸地方が高い理由としては、2世代・3世代で一緒に住んでいる家庭が多いため、子育ての負担が軽減でき、出産後も仕事に復帰しやすい環境が整っていることなどが挙げられています。
また、就業率が低いのは、奈良県(58.5%)、兵庫県(60.6%)、大阪府(61.4%)となっています。福井県と奈良県の差が16.3ポイントもあることから、地域によってばらつきがあることがわかります。
◆海外では北欧が上位
また、海外諸国と比べると、日本はOECD(経済協力開発機構)35か国中16番目(OECD平均は58.6%)です。
なお、最も高い国はアイスランドで81.8%、以下、スイス、スウェーデン、ノルウェーと続いており、北欧諸国は女性が働きやすい環境が整っていると言えます。
◆2020年までに女性管理職を30%に!
女性管理職の割合は全国平均で13.4%となっています。高知県(21.8%)と青森県(20.3%)では20%を超える一方で、滋賀県、石川県(ともに8.0%)など10%未満の地域が6県あり、地域によって大きな差があります。
女性活躍推進法が施行されて1年が経ち、政府は2020年までに女性管理職の割合を「30%」にするとの目標を掲げていますが、今後は女性活躍に関する目標設定や情報の見える化をさらに進めるよう促していくとしています。
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