2019年08月23日
ご存じですか? 「シャドーIT」による情報トラブル発生リスク
◆「シャドーIT」とは?
便利なITツールが次々に登場する中、会社が把握しないところで従業員が業務上使用することがあります。例えば、社外の人とのやり取りでグループチャットを利用する、データのやり取りにオンラインストレージサービスを利用する、業務データを個人のスマートフォンで扱う、持帰り残業のためにUSBに保存したデータを持ち帰る、等です。
こうした、社内で使用が許可されていない外部サービスや個人所有の端末を業務で無断使用することをシャドーITといい、情報流出等のおそれがあるとして問題になっています。
◆「バイトテロ問題」とは異なる対策が必要
アルバイト店員等によるSNSへの不適切投稿が「バイトテロ」問題として話題になり、今では従業員がインターネットやSNSの利用に際して不適切な行為をしないよう指導する等、対策を講じる企業が増えています。
しかし、シャドーITによるリスクは、業務効率を良くするために利便性の高いサービスを利用する等によって起こり得るため、そもそもバイトテロ問題とは本質的に異なるもので、従業員の利用を禁止する等だけでは問題を解決することはできません。
◆まずは利用状況を調査してから対策を講じる
シャドーITリスクへの対応としては、まず従業員がどんなサービスや端末を利用しているかを調査し、自社の業務に必要なITツールを洗い出すところから始めます。
そして、業務上必要と考えられるサービス等について、会社がセキュリティ上の要件をクリアしているか等を確認の上、利用を認めるサービスを特定する等して必要なIT環境を整備し、それ以外は利用させないようにします。
こうした対策は、時間もかかり費用負担も発生する可能性がありますが、利用状況を会社が把握・監視できるようにするためにも必要です。
◆働き方の多様化・生産性向上を実現するためにも対策が不可欠
働き方の多様化でオフィス以外の場所で就業したり、生産性をアップさせるためにIT化を進めたりする機会が増えています。こうした取組みは、従業員の働きやすさにもつながる一方、新たな情報トラブルにつながるリスクもはらんでいます。
「働き方改革」に取り組む際は、シャドーITリスク問題の有無にも注意が必要と言えるでしょう。
女性就業者の活躍と今後の課題
◆就業者数における女性の割合は年々増加
2019年6月に総務省が発表した労働力調査によると、日本における就業者数は6,747万人となり、前年同月に比べ60万人増加しました。これは、78カ月連続の増加となります。
そのうち、女性の就業者数は3,003万人と、初めて3,000万人を突破しました。前年同月に比べ53万人増え、就業者全体の伸びの9割近くを女性が占めています。
また、女性就労者は、全体の44.5%を占め、毎年増加を続けています。
◆役職・企業規模別の女性の就業状況
2018年度の雇用均等基本調査(厚労省)によると、正社員・正職員に占める女性の割合は、26.0%で、各職種の割合は、一般職が46.5%と最も高く、次いで総合職33.8%、限定総合職11.9%となっています。
女性管理職がいる企業割合は、課長相当職以上の女性管理職(役員を含む。以下同じ。)がいる企業割合は56.3%(前年比2.2%増)、係長相当職以上の女性管理職がいる企業割合は63.2%(同2.6%増)です。また、係長相当職以上の女性管理職がいる企業割合を役職別にみると、部長相当職ありの企業は10.7%(0.1%増)、課長相当職は19.0%(同1.3%増)、係長相当職は21.7%(同6.8%増)で、役員を除くすべての役職において、2009 年度以降最も高い割合となっています。
企業規模でみると、おおむね規模が大きくなるほど、各役職の女性を有する割合が高くなり、5,000 人以上規模では、部長相当職の女性管理職を有する企業が74.4%、課長相当職の女性管理職を有する企業が93.8%、1,000~4,999 人規模では、部長相当職の女性管理職を有する企業が40.2%、課長相当職の女性管理職を有する企業が76.0%と、女性が活躍する環境が整ってきていることがうかがえます。
また、課長相当職以上の管理職に占める女性の割合は11.8%(前年比0.3%増)で、係長相当職以上の女性管理職割合は13.5%(同0.7%増)で、それぞれの役職に占める女性の割合は、部長相当職では6.7%(同6.6%)、係長相当職では16.7%(同15.2%)と、いずれも前回調査から上昇しています。
◆今後の課題
女性の就業率が上がり、管理職に占める割合も上昇してきているとはいえ、出産や育児で休職や短時間労働が必要になる女性は多く、彼女らが昇進する際、不利になりやすい現状は依然としてあります。また、男性の育児休業取得率も一向に上がらない理由として、「職場に理解がない」を挙げる男性は多いです。
今後、男女問わず、家庭への協力、就業率(労働力)の向上を目指すには、政府の施策だけでなく、職場での意識改革が重要になってくるのではないでしょうか。
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