『リキッド・アンド・リンクド戦略』というマーケティグ手法が注目されていますが、どういうものですか?
リキッド・アンド・リンクド戦略とは、メッセージ・コンセプトをどの媒体にも波及しやすいようにし(リキッド)、消費者同士が情報や意見を共有しやすい(リンクド)環境を用意しようというマーケティング手法のことです。
これは、コカ・コーラ社のマーケッターが提唱したもので、まず、リキッドとは拡散というと分かりやすいのではないのでしょうか。たとえば、Youtubeでのコカ・コーラ社に関係する動画再生回数の8割は、一般ユーザーがつくった非公式な動画だそうです。
消費者が自らコンテンツをつくり発信することで、より拡がりが出る。このような拡がりを生み出すのがリキッドの戦略。
次に、リンクドとはつながり、リンクのことです。たとえば、日本でもよくある「続きはWebで」のように一つの媒体で終わるのではなく、他の媒体につながっていくことです。
こうすることで多様化した消費者とあらゆるメディアでつながりを持っておくことが大切だという。各企業が自社のHPなどにFacebookの「いいね!」ボタンをリンクさせているのも、リンクドの戦略の一つようです。
リキッド・アンド・リンクド戦略で重要なのは、リキッドを生み出すキャンペーンをどう打つかということと、マスメディアやソーシャルメディアなど、あらゆるメディアのことに精通し、それぞれのメディアをつなぐプランニングができるかということが肝。
【参考条文等】
こころを動かすマーケティング―コカ・コーラのブランド価値はこうしてつくられる 魚谷雅彦著