法人Aは2年間分の採掘(マイニング)の権利をX社から240万円で購入しました。 毎月に採掘できる枚数は上限が10枚とされており、採掘がうまくできない際は数枚になることもあります。このような場合における仮想通貨の公開前、公開後の会計・税務処理を教えて下さい。
マイニングを行う場合、マイニングマシンの購入費用、減価償却費、人件費その他の管理費、マシンの稼動のための電気代、マシンの冷却のための電気代、水道代等が発生し、 これらの費用については、マイニングにより取得する仮想通貨の取得原価とする考え方と、事業を行う上で通常発生する一般管理費とする考え方とがあり、発生時に 資産に計上したうえで収益計上時に原価として計上するか、発生時に費用として計上するのかが区分されます。仮想通貨を資産として整理し、その取得に要する費用として取得価額を構成するものとして整理すると以下のようになります。
(1)公開前・上場前の経理処理
一か月目(10枚付与)
前払費用 240万 / 預金 240万
仮想通貨 20万 / 前払費用 20万
二か月目(5枚付与)
仮想通貨 20万 / 前払費用 20万
この際に10枚ではなく、5枚しか付与されなかった際は1枚あたり4万円という取得単価になる。
(2)公開後・上場後の経理処理
公開後・上場後の経理処理は、経済的価値の取得であり、コインの取得価額は取得時における時価相当額で認識する必要があると考えます。
仮に公開後に採掘され、付与された仮想通貨の価値が50万円である場合は以下の処理になるものと考えられます。
仮想通貨 50万 / 前払費用 20万
________________ / 受贈益 30万