①法人が、自社製品を被災者に提供する場合、税務上の取扱いはどうなりますか。②法人が、自社製品を被災者に提供する場合、自社製品等の提供に要する費用は、広告宣伝費に準ずるものとして損金に算入されます。では、自社製品等に他の者から購入したものも含まれるのでしょうか。③法人が、復旧目的として取引先に対する売掛金、貸付金等の債権を免除する場合には、その免除することによる損失は損金の額に算入されますが、この場合の取引先には、直接取引を行っていない者も含まれるのでしょうか。④売掛債権の免除は、いつまでに行ったものが損金として認められるのでしょうか。
①法人が、不特定又は多数の被災者を救援するために緊急に行う自社製品等の提供に要する費用は、寄附金又は交際費等には該当せず、広告宣伝費に準ずるものとして損金に算入されます。
②自社製品とは、原則として、法人が製造等を行った製品でその製品に法人名等が表示されているものをいいますが、法人名が表示されていない物品や他から購入した物品であっても、その提供に当たって、企業のイメージアップなど実質的に宣伝的効果を生じさせるようなものであれば、これに含めて差し支えありません。
③取引先には、得意先、仕入先、下請工場、特約店、代理店等のように直接取引を行うもののほか、商社等を通じて取引であっても自ら価格交渉等を行っている場合の商品納入先など、実質的な取引関係にあると認められる者も含まれます。
④売掛債権の免除は、災害発生後相当の期間内、例えば、店舗等の損壊によりやむなく仮店舗により営業を行っている場合のように、被災した取引先が通常の営業活動を再開するための復旧過程にある期間内に行うことが前提となります。