平成22年4月1日以後に開始する事業年度から資産除去債務の適用が開始されますが、次の場合の資産除去債務にかかる会計処理があった場合の税務調整と税効果について簡単にご教示頂けますでしょうか。
【税務上の取り扱い】
資産除去債務の計上については、将来キャッシュフローを見積り、現在価値に割引計算を行うため、見積りの要素が介入します。税法の債務確定主義とは相容れない内容であり、税務上は認められていません。
『税務調整』
■23年3月期
別表5(1)…有形固定資産と資産除去債務を両建てします。
有形固定資産 △10,000(増欄)
資産除去債務 +10,000(増欄)
■24年3月期
別表4
減価償却超過額 1,000(加算・留保)
利息費用否認 100(加算・留保)
別表5(1)
有形固定資産 +1,000(増欄) …翌期首利積△9,000
資産除去債務 +100(増欄) …翌期首利積+10,100
『税効果会計』
法定実行税率を40%とします。
■23年3月期
有形固定資産は将来加算一時差異となりますので繰延税金負債、資産除去債務は将来減算一時差異となりますので繰延税金資産となります。
繰延税金資産 4,000 / 繰延税金負債 4,000
■24年3月期
減価償却超過額は、繰延税金負債の解消になりますので下記の計上となります。
繰延税金負債 400 / 法人税等調整額 400
利息費用否認は、将来減算一時差異となりますので、繰延税金資産の計上となります。
繰延税金資産 40 / 法人税等調整額 40