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所得税

未払い役員賞与を支払わないこととした場合の源泉所得税について

長引く景気低迷で資金繰りが悪化し、未払いの役員賞与がたまってしまいました。そのため、未払いの役員賞与を支払わないこととしたいのですが、源泉所得税は納付しなければならないのでしょうか。

税務上、未払い役員賞与を支払わないこととした場合には、役員がいったん役員賞与を受け取った後に企業へ役員賞与相当額を返納したものとして取り扱うため、未払い役員賞与に対する源泉徴収税額の納付義務は消滅しません。
そのため、未払い役員賞与は、支払い確定日から1年を経過した時点で支払いがあったものと見なして源泉徴収税額を納めなければならないこととされています。

また、未払い役員賞与を支払わないこととした場合、本来なら債務免除益がたってきますが、支払わないこととした理由が経営状況の悪化によるなど下記の一定の基準に当てはまるときは、益金計上しないことができます。
ここでの「経営状況の悪化」とは、「赤字期間の長短ではなく、現実に業績不振であるかどうかで判断する」とされています。

①取締役会等の決議に基づくものであること
②その全部又は大部分の金額を支払わないこととされていること
③その支払わないことが、いわゆる会社の整理、事業の再建及び業況不振のためのものであること
④その支払われないこととなる金額が、その支払いを受ける金額に応じて計算されているなど、一定の基準によって決定されたものであること

【参考条文等】
所得税法183条2項
昭55年直法2-15「四」、平14年課法2-1「十三」、平19年課法2-3「十六」により改正

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