『エスネットワークス人事労務通信2018年7月号』を掲載致しました。
「働き方改革法」省令・指針の検討始まる
◆労政審の労働条件分科会で議論開始
6月29日に働き方改革関連法が成立したことを受け、必要な省令や指針などについての議論が7月10日、労働政策審議会の労働条件分科会で始まりました。まずは、残業時間や年次有給休暇(年休)などに関する部分の検討が始まり、国会でも与野党が激しく対立した高度プロフェッショナル制度(高プロ)が適用される職業や年収については、秋以降に検討が始められる見込みです。
◆まずは残業時間や年休から
働き方改革法で制度の具体化が委ねられた省令は62に及びます。10日の分科会では、罰則があり、企業のシステム改修などが必要な残業時間の上限規制や年休の消化義務などに関わる部分から第1段階として議論することで労使が合意しました。
◆第1段階の検討まとめは8月下旬めど
残業と休日労働の抑制については、法律で残業時間が「原則月45時間、年360時間」までと明記されており、新たな指針で残業を「できる限り短くするよう努める」ことなどを定めることで、罰則に至らない事例でも是正を求めて指導をしやすくします。
また、月45時間を超えて残業した働き手に対して健康確保措置を実施することを労使協定(36協定)に盛り込むことを省令で定めることになっています。第1段階の検討は8月下旬をめどにまとめられる見込みです。
◆高プロについての議論は秋以降に
来年4月から導入される高プロについては、適用対象については、政府は金融商品開発やコンサルタントなどの業務で年収は1,075万円以上と想定していますが、具体的には省令で定められます。
10日の分科会では、厚労省が第1段階の議論終了後に「できる限り、早期に結論を出す」との案を示しましたが、労働側は「きちんと議論が必要」として了承しませんでした。
次回の分科会は7月18日(水)に開かれます。
【厚生労働省「労働政策審議会(労働条件分科会)」】
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-rousei_126969.html
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