(1) 災害により滅失・損壊した資産等
法人の有する商品、店舗、事務所等の資産が災害により被害を受けた場合に、その被災に伴い次のような損失又は費用が生じたときには、その損失又は費用の額は損金の額に算入されます。
なお、事業を営む個人の有する事業用資産についても、同様となります。
商品や原材料等の棚卸資産、店舗や事務所等の固定資産などの資産が災害により滅失又は損壊した場合の損失の額
損壊した資産の取壊し又は除去のための費用の額
土砂その他の障害物の除去のための費用の額
(法人税法第22条第3項、所得税法第37条第1項、第51条第1項)
(2) 復旧のために支出する費用
法人が、災害により被害を受けた固定資産(以下「被災資産」といいます。)について支出する次のような費用に係る資本的支出と修繕費の区分については、次のとおりとなります。
被災資産についてその原状を回復するための費用は、修繕費となります。
被災資産の被災前の効用を維持するために行う補強工事、排水又は土砂崩れの防止等のために支出する費用について、修繕費とする経理をしているときは、この処理が認められます。
被災資産について支出する費用(又はに該当するものを除きます。)の額のうち、資本的支出か修繕費か明らかでないものがある場合、その金額の30%相当額を修繕費とし、残額を資本的支出とする経理をしているときは、この処理が認められます。
なお、これらの取扱いは、事業を営む個人においても同様となります。
(法基通7-8-6、所基通37-11、37-12の2、37-14の2)
(注) 法人が災害により被害を受けた製造設備に対して支出する修繕費用等について、企業会計上、適正な原価計算に基づいて原価外処理(費用処理)をしているときは、税務上もこの処理が認められます。
(3) 従業員等に支給する災害見舞金品
法人が、災害により被害を受けた従業員等又はその親族等に対して一定の基準に従って支給する災害見舞金品は、福利厚生費として損金の額に算入されます。
また、法人が、自己の従業員等と同等の事情にある専属下請先の従業員等又はその親族等に対して一定の基準に従って支給する災害見舞金品についても、同様に損金の額に算入されます。
なお、事業を営む個人においても同様に取り扱われます。
(措通(法)61の4(1)-10(2) 、61の4(1)-18(4) )
(4) 災害見舞金に充てるために同業団体等へ拠出する分担金等
法人が、所属する同業団体等の構成員の有する事業用資産について災害により損失が生じた場合に、その損失の補てんを目的とする構成員相互の扶助等に係る規約等に基づき合理的な基準に従って、同業団体等から賦課され、拠出する分担金等は、その支出する事業年度の損金の額に算入されます。
なお、この取扱いは、事業を営む個人においても同様となります。
【参考条文等】
国税庁HPより