【譲渡所得の取り扱いについて】
相続により取得した資産を他へ譲渡した場合には、所得税法上、以下の算式により所得を計算します。
譲渡所得 = 譲渡価額 -(取得費 + 譲渡費用) - 特別控除
算式中の譲渡価額とは、あなたと他の者との間で譲渡されることとなった価額をいい、取得費とは相続税法上の時価ではなく、当初被相続人が取得した時の価額(建物等の償却対象資産については償却累計額控除後の金額)をいいます。
なお、当初取得費が不明な場合や、実際の取得費が譲渡価額の5%に満たない場合には、譲渡価額の5%を概算取得費とすることができます(措置法31の4、措通31の4-1)。
【譲渡に係る税額の計算について】
本件については、被相続人が当初資産を取得した時点から、譲渡する年の1月1日までの所有期間が5年を超えるため(つまり相続人の当該資産の取得日には、被相続人の取得日が引き継がれます)、所得税法上は長期譲渡所得(分離課税)に該当し、短期譲渡所得に比べて、有利な税率が適用されます(措通31の4-1)。具体的な算式は以下の通りです。
所得税額=長期譲渡所得金額 × 15%
住民税額=長期譲渡所得金額 × 5%