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ニュースリリース

2015年12月16日

『エスネットワークス人事労務通信2015年12月号』を掲載致しました。

「ストレスチェック実施プログラム」の概要と監督署への報告書提出

◆ついに公開された「実施プログラム」

厚生労働省は、11月24日に「ストレスチェック実施プログラム」を公開しました。

この実施プログラムは、12月から労働者50人以上の事業所に実施が義務付けられたストレスチェックの受検、結果出力、集団分析等を行うことができるソフトで、同省は今年7月に「秋頃を目途に完成させ、無料で配布する予定」と発表していました。

ダウンロードは無料であり、通常1~5分あればダウンロード可能とのことですので、お金をかけずにストレスチェックを実施したいという企業にはお勧めです。

なお、公開後にプログラムの内容に一部記載誤りが見つかったため、11月24日から11月30日までの間にダウンロードしていた場合には再度のダウンロードが必要です。

 

◆「実施プログラム」の機能

実施プログラムの主な機能は以下の通りです。

(1)労働者が画面でストレスチェックを受けることができる機能(57項目と簡易な23項目の2パターンの利用が可能。また、紙の調査票で実施しデータ化されたものをインポートすることも可能)

(2)労働者の受検の有無を把握する機能

(3)労働者が入力した情報に基づき、あらかじめ設定した判定基準により、自動的に高ストレス者を判定する機能

(4)個人のストレスチェック結果を出力する機能

(5)あらかじめ設定した集団ごとに、ストレスチェック結果を集計・分析(仕事のストレス判定図の作成)する機能

(6)集団ごとの集計・分析結果を出力する機能

(7)労働基準監督署へ報告する情報を表示する機能

 

◆監督署への報告書提出について

ストレスチェック制度では、労働基準監督署へ「心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書」(労働安全衛生規則様式第6号の2)を提出することが企業に義務付けられています。

厚生労働省が12月3日公表した、労働基準監督署への報告書の提出に関する留意点は次の通りです。

(1)報告書は平成28年4月1日以降に提出

(2)報告書の様式は平成28年3月下旬に公表予定

なお、同省から公表される報告書の様式は、OCRで読み取り可能なものとなるそうです。

 

労災年金と厚生年金を併給する場合の調整率が引き上げられます

◆4月1日施行

労災保険法の傷病(補償)年金と厚生年金保険法の障害厚生年金の調整に用いる率(調整率)が、平成28年4月1日より、現行の0.86から0.88に引き上げられます。

 

◆保険給付と他の社会保険との調整

同一の事由について労災保険の年金給付と厚生年金保険等の年金給付が全額支給されると、同一の事由について二重の填補が行われることになり不合理であることから、このような場合は、事業主の負担割合や国の負担割合等を考慮して、労災保険の年金給付を減額調整することとなっています。

具体的には、労災保険法の年金に一定の率(調整率)を掛けて調整しています。

 

◆改正の内容

調整の対象となる労災保険の年金たる保険給付には、障害(補償)年金や遺族(補償)年金、休業(補償)給付、傷病(補償)年金がありますが、今回改正になったのは、同一の事由により労災保険法の傷病(補償)年金と厚生年金保険法の障害厚生年金が支給される場合の調整率です。

傷病(補償)年金に調整率0.88(これまでは0.86)を乗じて得た額とすることになります。

詳しくは、厚生労働省ホームページ(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000106466.html)をご覧ください。

 

雇用保険、65歳以上も新規加入が可能に!

 

◆高齢者の雇用拡大を後押し

厚生労働省が、来年度から65歳以上の高齢者も新規で雇用保険に加入できるようにする方針を固めたそうです。

同省の雇用保険部会が12月にまとめる制度改正の報告書に盛り込み、来年の通常国会に雇用保険法の改正案を提出する予定です。

 

◆65歳前からの継続雇用者との不公平感を是正

現行の雇用保険制度では、失業したときに、65歳未満は賃金の45~80%に相当する額を最大360日分受け取ることができ、65歳以上の場合には最大50日分の一時金を受け取ることができます。

ただ、65歳以上で転職したり、親会社から関連会社に転籍したりした場合、雇用保険に入ることができないため、この給付を受けることができません。

現在、65歳以上の雇用保険加入者は140万~150万人いると言われ、新規加入を認めることで、転職した人たちなどとの不公平感を是正しようというものです。

 

◆転職・再就職者も失業給付の対象に拡大

改正後は、雇用保険の加入に年齢制限を設けず、65歳以上の退職者については「高年齢求職者給付金」として、65歳前から継続して同じ事業主の下で働いていた人と同様に、失業前に受け取っていた賃金の最大50日分を支給します。

ただし、適用には「週の所定労働時間が20時間以上」「直近1年のうち6カ月以上被保険者であること」といった条件がつきます。65歳未満の失業給付は現行のままの方針です。

また、65歳以上については当面、労使が折半で負担する保険料を免除します。現行の制度でも64歳を超えた人の雇用保険料は労使とも免除しており、同様の扱いとなります。

 

◆求職者増と人手不足も背景

高齢化に伴い65歳以上の求職者は増え続け、人手不足も背景に、企業も高齢者を受け入れる環境整備に動いています。2014年度の新規求職者は46万4,901人で、前年度に比べて10.8%増え、新規求職者全体の7.8%を占めています。

ただ、今回の対象拡大で安易な受給を増やさないことも必要で、厚生労働省は給付金を申請する65歳以上の高齢者が実際に求職活動しているかなどの確認を厳しくする方針です。

 

◆「一億総活躍社会」実現への一環

このほか、介護休業を取る人への給付金も引き上げます。賃金の40%になっている現在の水準を67%に引き上げる方向で、給付金を増やして仕事と家庭の両立を支援します。

政府としては、今回の改正を、安倍政権が掲げる「一億総活躍社会」実現につなげる考えです。

 

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