エスネットワークスグループ

社労士法人エスネットワークス

  1. トップ
  2. > ニュースリリース
  3. > 『エスネットワークス人事労務通信2016年4月号』を掲載致しました。

ニュースリリース

2016年04月19日

『エスネットワークス人事労務通信2016年4月号』を掲載致しました。

「通勤手当の非課税限度額引上げ」で必要となる手続き

 

◆「10万円」から「15万円」に

平成28年度の税制改正で通勤手当の非課税限度額の上限額が「10万円」から「15万円」に引き上げられ、4月から施行されました。

今回の改正で新たに非課税の対象となるケース(従業員)はそれほど多くはないと思いますが、いくつか注意が必要な点がありますのでご紹介いたします。

 

◆年末調整で精算が必要

従業員に支給する通勤手当について課税されない金額は今月から「15万円」となりました。

非課税規定(以下「規定」という)が「平成28年1月1日以後に支払われるべき通勤手当」について適用されることとなったため、改正前の規定を適用して源泉徴収(所得税および復興特別所得税)を行っていたために結果的に過納となってしまった税額を年末調整の際に精算する必要が出てきます。

なお、以下の通勤手当については、改正後の規定は適用されません。

(1)平成27年12月31日以前に支払われたもの

(2)平成27 年12 月31 日以前に支払われるべき通勤手当で平成28 年1月1日以後に支払われるもの

(3)(1)または(2)の通勤手当の差額として追加支給されるもの

 

◆課税済みの通勤手当の精算方法

上記の通り、すでに支払われた通勤手当については改正前の規定により源泉徴収が行われていますが、改正後の規定を適用した場合に過納となる税額については今年の年末調整で精算する必要があります。

具体的な手続きは次の通りです。

(1)すでに源泉徴収を行った通勤手当のうち、新たに非課税となった部分の金額を計算する。

(2)平成28年分の源泉徴収簿の「年末調整」欄の余白に「非課税となる通勤手当」と表示し、(1)の計算根拠および今回の改正により新たに非課税となった部分の金額を記入する。

(3)源泉徴収簿の「年末調整」欄の「給料・手当等①」欄に、給料・手当等の総支給金額の合計額から(2)の新たに非課税となった部分の金額を差し引いた後の金額を記入する。

(4)以上により、改正後の規定によって新たに非課税となった部分の金額が、本年の給与総額から一括して差し引かれ、その差引後の給与の総額を基に年末調整を行う。

 

残業80時間で立入り調査へ! 政府の長時間労働抑制対策

◆「残業80時間」で立入り調査の対象に

政府は、労働基準監督官による立入り調査について、1カ月の残業時間の基準の引下げ(100時間→80時間)を検討していることを明らかにし、新聞でも大きく報じられました。

長時間労働に歯止めをかけるため指導を強化し、子育て中の女性や高齢者が働きやすい環境を整えることがねらいで、対象者は300万人(2.7倍)に拡大することが予想されています。

なお、法改正による規制強化などは見送る方向のようです。

 

◆「過重労働撲滅対策班=かとく」を省内に設置

また、厚生労働省は違法な長時間労働に対する監督指導を強化するため、4月1日に全国の労働局との調整を行う「過重労働撲滅特別対策班」(かとく)を省内に設けました。

さらに、「過重労働特別監督監理官」を全国47の労働局に1人ずつ配置し、態勢を強化しています。

同省は、労働基準監督官が不足していることから「悪質性、違法性の高い所を優先して監督指導を行う」方針のようです。

 

◆長時間労働が疑われる事業場に対する監督指導結果

平成27年4月から12月までに8,530事業場に対して実施した、長時間労働が疑われる事業場(月100時間超の残業が疑われるもしくは過労死に関する労災請求があった事業場)に対する労働基準監督署による監督指導の実施結果が取りまとめられ、この結果、監督指導を行った8,530事業場のうち、半数を超える4,790事業場で違法な時間外労働が確認されたため、是正・改善に向けた指導が行われました。

なお、このうち実際に月100時間を超える残業が認められた事業場は、2,860事業場(59.7%)でした。

 

◆長時間労働のない職場づくりへ

近年、職場では過労死防止や女性の活躍推進に向けた長時間労働の是正、そして柔軟な働き方が求められていますが、小売業など人手不足から長時間労働が常態化している業種は深刻な悩みとなっています。

また、上記のように1カ月の残業時間の基準の引下げが行われることによって、より一層注意して労働時間を適正に管理していかなければならなくなります

企業にとっては今後も引き続き、長時間労働を減らすための体制作りや規定の見直しが必須と言えるでしょう。

 

その他の記事PDFはこちら

エスネットワークス人事労務通信2016年4月号

ニュースリリース

PAGEの先頭に戻る